お役立ち情報
自分でできるお手入れ
着用後の最低限のお手入れ方法
良く着る着物や、一度来てからまたすぐに着る予定がある着物は着るたびに洗わなくても大丈夫ですが、着物を良い状態で保つために最低限のお手入れは必要です。着物を脱いだあと、自分で出来るお手入れ方法をご案内しますので、ご参考になさってください。

1.着物ハンガーに掛けてシワをとる
風通しの良い日陰に干し、着物シワを取ります。
また、着物ハンガーに干すことで湿気を抜くこともできます。着物を着た後どうしても残ってしまう湿気を抜く事ができます。
吊り下げる時間は長くても一晩で十分です。それ以上長い時間ハンガーに吊り下げっぱなしにすると、裾が袋になってしまうことがあります。

2.帯も同じようにシワを取るためハンガーに吊るす
帯にも着物と同じように湿気が残るので、ハンガーに吊るしてシワを取り、湿気を抜きます。

3.汚れをチェックする
目立つ汚れがないか、着物全体をくまなくチェックします。自分で落とせる汚れは落としてしまいます。
特に裾はかならずほこりが付いているので、乾いたタオルで優しく払ってほこりを落としてください。

4.汗をかいていたら
汗はすぐ変色を招きますので着用後は必ず風を通しましょう。
ある程度の塩分はとばすことができます。
霧吹きで汗をかいた部分に水をかけて、タオルでたたく方法もありますが、水をかけすぎると生地が縮むおそれがあるので注意が必要です。
不慣れな方は、やはり専門店に出したほうが無難です。
当店では、汗をかいた部分を一か所ずつ油性処理、水性処理をすることで、後々黄色いシミができることを防ぎます。

5.アイロンをかける
家庭用アイロンの場合「絹」の適温でかけます。さらしなどの当て布を必ず当ててください。
あまり着ない着物には虫干しを
多くのお客様からご質問やお問い合わせを頂いたのが、「カビ」です。着用後にきちんとクリーニングをしても湿度が多い所ではカビが発生しやすくなります。
「カビ」の発生する環境を数値で表すと、室温が20~30℃の間で、湿度が60~85%の状態です。この条件が揃った時にカビが発生してしまうのです。梅雨の時期などは、ピッタリ条件に当てはまります。
最近は、昔の日本家屋とは違い、気密性の高いマンションなどで着物を保管されている方も増えています。通気性の悪い状況で、普段着る機会の少ない着物の管理をするのは難しく、桐のタンスに入れていても、湿気がこもり、カビが発生してしまいます。
着物を襦袢と帯など一緒にして保管されている方も多いと思います。そのような場合、1枚にカビが出ると、他の着物にもカビが移っている可能性があります。
また、黒の留袖など色の濃い着物はカビが発生した場合、早く見つけることができますが、白の襦袢など色が薄い着物のカビは見つけにくいのです。
では、どうすればいいのでしょうか?
カビを防ぐ一番の方法は「虫干し」をすることです。虫干しとは、着物や帯を、陰干しをすることですが、大切なお着物を長持ちさせるために、本当に大切です。
全体を広げて干すのでシミや汚れの早期発見にもつながります。
普段あまり着ない着物は、年に1~2回くらいタンスから出して虫干しをするのが理想です。
晴れの日が2日以上続いたような、空気が乾燥している日に行います。風通しの良い場所に着物を広げて、半日くらい陰干しをします。
着物を広げられない場合は、タンスの引き出しを開けるだけでも効果があります。
「毎日忙しくて時間が作れない」「面倒だから頼みたい」という方は、当店にてお手入れのいらない「無酸素パックサービス」を行っておりますので、ご活用ください。
着物のしまい方

着物をしまう時は、きれいにたたんでたとう紙に包んでしまいます。
たとう紙はパルプではなく、和紙の物をお勧めします。和紙は湿気をうまく逃がしてくれますが、パルプの紙は、水を吸って、カビやすくなります。
自分で染み抜きをしようとお考えの方へ
洋服の染み抜きをご自分でされる方ですと、着物の染み抜きも自分でやってしまおうと思われる方がいらっしゃるようです。たしかに、専門店に出すのは、お金と手間がかかります。あまり高価でない着物や、自宅用なので生地が傷んでもそれほど気にならないという場合はご自分で染み抜きをされても良いと思います。
ただし、着物を傷めずにシミをきれいにするためには正しい知識と、技術が必要です。不慣れな方が染み抜きを行った場合、汚れがさらに広がってしまったり、生地や柄の色が抜けてしまうといったトラブルがかなりの確率でおこります。
当店にご依頼いただく方の中にも、ご自分で染み抜きをされて失敗したという方がいらっしゃいます。直せるものがほとんどですが、生地が傷んでしまって直すのが難しいものもあります。
高価な着物や、大切な着物の染み抜きは専門店に依頼することをお勧めいたします。
- ▼失敗して広がった汚れ
- ▼色が抜けてしまった着物
将来シミになる部分を見抜く方法
「久しぶりに着物を出してみたら、しまった時にはなかったはずのシミがついていた」
こんな経験があるかもしれません。
実は、着た直後はシミがなくても、後からシミになるというのは良くあることです。なぜそんなことが起きるのでしょうか?原因は「汗」なんです。汗に含まれる脂肪酸はそのままほおっておくと変色してシミになってしまいます。
ここでは、汗が付いていて、将来シミになる部分の見分け方をご案内します。
着用した着物を着物ハンガーにかけてシワを落とします。
その時、シワが取れにくくなっている部分があると思います。そのシワの取れにくくなった部分が、汗の付いている箇所です。そのままほおっておくとその部分がシミになってしまいます。
汗の着いている箇所はタンスにしまう前に必ず「汗抜き」をすることをお勧めします。
- ▼表地のシワ
- ▼裏地のシワ
着物の各部の名称
着物の各部の名称です。
お電話でのお問い合わせの際に、汚れた場所をご説明いただくときなどに、ご利用ください。
着物の採寸方法
着物を仕立てる場合に必要になる寸法を自分で測る方法をご案内します。
体の寸法で測る場合
上記の図を参照しながら、次の5箇所の寸法を測ります。
可能であれば誰かに測ってもらった方が正確に寸法を出すことができます。
- 身長
- 裄(ゆき)(背骨から肩・肩から手首まで足したもの)
- 胸まわり
- 胴まわり
- 腰まわり
仕立てたい寸法の着物から測る場合
上記の図を参照しながら、次の箇所の寸法を測ります。
- 胸まわり
- 胴まわり
- 腰まわり
- 身丈
- 裄丈
- 袖巾
- 袖口
- 袖付
- 袖丈
- 前巾
- 後巾
着物のことなら何でも、まずはお気軽に
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