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大切な着物を守るための収納方法

ついうっかり!着物収納の失敗・お悩みごと

何をどこにしまったのか分からなくなってしまう

気に入ったものを購入したり、人からいただいたり…一度着物を集め始めると、なぜかついつい増えてしまうという声はお客様からもよくお聞きします。
しかし着物が増えるとついてくるのが『収納の悩み』です。

どのたとう紙にどの着物が入っているか覚えていないので、毎回すべてのたとう紙を開けてチェックしている。
帯はぎゅうぎゅうに詰めてしまい、取り出しにくい。
小物を別でしまっていたら、どの着物、帯に合わせてあったのかわからなくなってしまった。
着物をひとつの引き出しに詰めすぎて、いざ着ようというときに大きなシワ発見…。

そんなことがあるたびに「ちゃんと整理整頓しなきゃ…」とは思うものの、なかなか実行も出来ません。
世の中にはたくさんの片づけ本が存在していますが「着物の片づけ方」に特化した本はなかなか見つからないので、どんな収納方法が「着物にとって最も良い方法」なのか、いわゆるゴールがわからないのです。

気づいたら大切な着物にカビ・虫食いが!

「きちんとしまっていたはずなのに、必要な時に出してみたらポツン、ポツンとしろいカビや虫食い、茶色いシミが…。」
こんな経験はありませんか?
これらの原因は、着物の大敵「湿気・虫・タンパク質の残留(食べこぼし等)・紫外線・ガス」であることが多いのです。

湿気

カビ、生地の縮みによる寸法のズレにつながるのがこの「湿気」。
現代の住宅は気密性が高く、家の中に湿気がこもりがちです。加湿器だってガンガン使う人も多い。
また、和服を着る機会が少ない人も多く、たんすの中の湿度が高くなるという現象が起こりがちなのです。
桐たんすに収納されている方でも、桐素材が日本製でないと湿気を吸うキャパシティも異なります。(中国製素材は桐材の乾燥期間が短いため湿気を吸う量のキャパシティが小さい)
また、着物を購入したときの化粧箱や証書など、和紙以外の紙類も湿気を呼ぶ原因となります。
「たとう紙に包んでいるから大丈夫」と安心しがちですが、たとう紙にも湿気を吸う限界があるので、寿命を超えたたとう紙を使用しても除湿の効果はみられません。(たとう紙に茶色いポツポツとした変色が現れ始めたら限界です)

本来、虫は絹を好まず積極的に食べません。しかし、ウールは大好物。
「同じ着物だから」という理由で絹とウールの着物を同じたんすやクローゼットにしまっていると、ウールに寄ってきた虫が絹の着物、特に酸化したシミが発生している部分を食べてしまいます。

タンパク質の残留

着用時に食事をした際には、たまたま食べ物や飲み物が付着することがあります。自身で気を付けていても、自分以外の方からの付着もあります。食事中に着物を触られていたり、こぼれていた飲物に気が付かずに触れてしまうこともあります。
寝ているお子様を抱っこされている方などは、胸あたりに唾液がついてしまうことはよくあります。
ソースなどであれば、目に見えるので気づき対処できますが、飲物や唾液などは見えづらく付着したことに気づかずにタンスにしまうもあるでしょう。そうすると、時間が経つとシミになります。

紫外線

「脱いだあと、干しっぱなしにするとヤケてしまう」ということはよく知られていますが、たとう紙やたんすの中の着物も紫外線でヤケてしまうことはあまり知られていません。
外光だけではなく、室内の照明のつけっぱなしも着物のヤケの原因になります。

ガス

樟脳、防虫剤、香り袋など、別系統のものをいっしょにたんすに入れてしまうと化学反応によってガスが発生することがあります。
また、小物類についているゴムが防虫剤などと化学反応を起こすことも。
どちらも着物の変色を招いたり、着物の生地を傷めたりするなどといった悪影響を及ぼします。

着物ライフを快適にする収納の仕方

着物の収納に適しているたんすの素材は

着物の収納には桐のたんすが理想

昔から言われているように、着物を守るためには桐たんすが最適です。
大きな理由は2つ、「防虫効果」と「除湿効果」にあります。

桐たんすの防虫効果

桐たんすに着物を入れておけば虫に食われないと昔から言われています。
正確に説明すると、国内産の桐材を100%使用した桐素材のたんすは虫がつきにくく、さらに桐たんすの塗装に使用される柿渋や砥の粉を虫が嫌うので虫がつきません。
なぜ国内産がよいのかというと、新潟県の加茂桐、福島県の会津桐などの特定産地の伝統として、山から切り出した桐材を十分に乾燥(アク抜き)させていて、その期間は4年、5年です。それほど時間をかけて乾燥すると虫にとっては何の魅力もない環境になるのです。そのため、桐たんすには虫がつきにくいのです。

桐たんすの防湿効果について

桐は空気を多く含んでいるため湿度に敏感に反応します。
湿度の高い時は桐たんすも湿気を吸って膨らみ、引き出しがぎっちりとしまって湿気を中に入れないようにしてくれます。また湿度が低くなれば桐たんすも乾いて縮み、通気性が復活するのです。
そういった特性があるため、たんすの中の着物が湿気を吸わずにカビの発生や縮みから守られているのです。
ところが。
桐たんすであればよいか?と言われると「購入時に注意が必要」とお伝えしなければなりません。
桐たんすは国内産、新潟県の加茂桐、福島県の会津桐などの特定産地ものが良いと伝えました。
山から切り出した桐材を十分に何年も乾燥させていて、桐本来の機能を発揮してくれます。
しかし、その産地から直接購入しない場合、特に桐以外の素材も扱う家具メーカーの桐たんすには、背面板にだけ国内産ではない、中国産の桐材が使わていたりします。一般消費者の方には決して気づけない部分です。
中国産の桐材は、乾燥期間(アク抜き)がとても短く、湿気が残ったまま材料として使われます。湿気を吸いにくい状態で使われてしまうと、タンス自体にカビが生えるという「何のために高価な桐たんすを使っているのかわからない」現象が起こります。
「産地の桐材100%使用かどうか」を確認して購入することが、防湿効果を得る最大の条件です。

プラスチックの収納ケースでも工夫次第で大丈夫

桐たんすは高価ですし場所もとるので、着物の収納のためにいくつも桐たんすを揃えるのはなかなかハードルが高い。
そんなとき重宝するのが、「プラスチックの収納ケース」です。
大事な着物をしまうのに、プラスチックでいいの?と意外に思われる方も多いのですが、実は「湿気を呼ばない」という点で着物の収納にとても適しています。
またプラスチックの衣装ケースを使用する際には以下の3つのことに注意していただくと、より着物を長持ちさせる収納になります。

除湿シートを忘れずに

湿気を呼ばないプラスチックの衣装ケースとは言え、除湿は必要です。桐と違ってプラスチック自体は湿気を吸ってくれません。 押し入れやクローゼットには湿気がこもりがち。衣装ケースの引き出しの底に除湿シートを敷き、着物を湿気から守りましょう。

サイズも確認(三つ折りの着物が入るものに)

衣装ケースのサイズは、できるだけ大きいものを選ぶほうが良いでしょう。二つ折り、難しければせめて三つ折りの状態で着物を入れられる大きさならば収納時にシワになりにくく、着るときに慌てることもありません。

気密性の高いタッパーウェアも便利

タッパーというと食品を保存する小さなものを想像しがちですが、衣類も収納できる大型のものもあります。密封力が強く、湿気・ほこり・虫・光を防いでくれ、長期の保存に適しているので安心です。

着物を引き出しにしまうときのアイデア

1:引き出しの順番

着物の整理の仕方は家庭によって様々ですが、引き出しにしまう際にどの段に何を入れるかはコツがあります。
一般的に、引き出しは下段に行くほど湿気を帯びてカビやすくなっています。そのため、一番下には通気性の良い素材が多くてカビにくい夏物や単衣の着物を入れましょう。
取り出しやすい高さの引き出しには、よく着るお気に入りのものを入れるとよいです。ちょうど立ったまま手を伸ばせば開けられる場所に引き出しあれば、日常的に取り出しやすくなります。
逆に当分着ることのない着物や礼装類などの高級品(留袖や振袖など)は高い場所へしまうとよいでしょう。

2:たとう紙について

たとう紙は、ただ「着物を買うと付いてくる包み紙」ではありません。着物の間にはさまれている板紙とは違い、和紙のたとう紙は通気性が良く、着物の湿気を吸ってくれる優れたアイテムです。さらに、直に着物を重ねておくよりも滑りがいいので出し入れも楽になります。
窓のあるたとう紙もありますが、これは中身が見えるので探し物が見つかりやすくなります。窓の無いたとう紙でも、紙に着物の内容を書いたり写真を貼ったりしておくと、すぐに着物が見つかって便利です。
気を付けなくてはならないのは、「たとう紙にも寿命がある」ということです。
時間が経過してぽちっと茶色の斑点が出てきたら、たとう紙の除湿の力が限界になったというサインです。放っておくと中の着物がカビたり、シミがでてしまったりする危険がでてきます。
環境によって寿命は大きく変わりますが、湿気の多い環境でのたとう紙の寿命は2年の場合もありましたし、逆に20年以上同じたとう紙を使い続けられているケースもあります。
たとう紙を見て、茶色い斑点状のものがないかを1年に1回見てあげるのが良いと思います。変化を確認したら交換、といった具合です。
たとう紙は単体でも入手できるものなので、この交換サインを見つけたら新しいものに買い替えましょう。

着物と小物をジャンル別に分ける

1:ウールの着物と絹の着物は一緒にしない

着物を引き出しに入れるとき、どのように分類されてますか?なんでも一緒に詰め込まず、素材に分けて入れることも大事です。
例えばウールの着物。ウールは虫食いが起こりやすく、重ねて収納すると正絹の着物にも虫がつく可能性があります。

クローゼットにウールのコート類と一緒にしまうのも危険です。
着物をクローゼットに収納される方は現在、とても多いです。
ウール製品と同じクローゼットに着物を収納する場合は、必ずプラスチック衣装ケースに入れるなどして分けて収納しましょう。その際には除湿剤をいれたり下にすのこを敷いたり、湿気対策も忘れずに行ってください。

2:小物は小物でまとめる

ゴムやプラスチックを使った小物を着物の上におくと、防虫剤との科学変化で着物が変色したり、金糸が灰色に変色したりすることがあります。小物は小物でまとめたり、布に包むなどしてしまっておきましょう。

虫干しには扇風機が便利

着物を長持ちさせるためには、定期的な虫干しが必要です。しかし、現代の住宅事情では着物を一気にハンガーにかけて干して…というのは場所もなく難しいものです。
また湿度の高い季節には、引き出しの中の湿気も気になります。
そこで、たんすの中にこもった湿気を飛ばすためには扇風機がとても効果的です。たんすの引き出しをすべて開けて、そこに10分間程度風が当たるようにするだけで、10%前後湿度を下げることができます。

着物収納で気を付けたいポイント

引き出しには余裕をもって収納を

結婚式、入学式などの行事で使用する着物は、襦袢から小物にいたるまで一式セットで一つの引き出しにまとめておきたくなりますが、あまりぎゅうぎゅうに詰め込みすぎるのは良くありません。着物や帯が型崩れしたりせっかくの刺繍がよじれたり、金粉がはがれてしまったりすることになりかねないからです。
着物の詰め込みすぎにより折り目がずれてシワがはいってしまい、アイロンがけをしなくてはならなくなったり、思わぬ手間がかかってしまったというケースもよくあります。

化粧箱に入れっぱなしにしないように注意

しかし引き出し詰め込まないように…と、購入時に着物が入っていた紙箱に入れておくのも危険です。呉服屋さんから送られてきた箱のままや立派で綺麗な化粧箱に入れたままの方は、とっても多いです。
いずれも紙ベースなので、箱が湿気を呼びカビの温床となってしまいます。
きれいな箱で見映えがいいのでそのまま収納に使いたくなりますが、長期では使用しないようにしましょう。
また引き出しの底にはつい何か敷きたくなりますが、特に新聞紙は湿気を呼ぶ上にインクが着物に移る可能性もあるので避けましょう。たとう紙に入れておけば、何も敷かなくて大丈夫です。

防虫剤が科学反応を起こす場合も

無臭タイプの防虫剤、香り袋など、別系統の防虫剤を同時に使用すると、生地の変色の原因となります。
また窓付きのたとう紙が便利というお話をいたしましたが、窓に貼られたセロファンのそばに防虫剤を置くと化学反応をおこす危険があります。防虫剤はたとう紙から離して置いてください。
むしろ、正絹の着物であれば虫は好みませんから、防虫剤の必要はありません。
防虫剤をタンスにたくさん入れるのは、ウールの着物が多かった時代の名残りです。

干しっぱなしは色やけの原因に

着物を着た後はすぐにたたんでしまわず、2~3時間ハンガーにかけて風を通すことは大切なことです。しかし、長時間干したままにしておくと、紫外線による色ヤケが起きてしまいます。
日当たりの良い部屋ではなくても干しっぱなしは良くありません。、蛍光灯も色やけの原因になります。

今回は着物の保管についてご紹介しました。

  • 着物収納のありがちな失敗
  • 桐たんすのメリット、プラスチック衣装ケースの便利さ
  • 引き出しは下段に行くほど湿度がこもる
  • よく着る着物は目線の高さの引き出しにしまう
  • たとう紙は開けなくても中身がわかるようにしておくと便利
  • たとう紙に茶色のシミが出てきたら新しいものに交換を
  • ウールの着物は絹の着物と一緒にしまわない
  • 小物は着物と別にまとめて収納する
  • 虫干しができなくても、扇風機で湿度を下げられる
  • 引き出しに詰め込みすぎると着物が傷む
  • 化粧箱は湿気を呼ぶので着物を入れっぱなしにしない
  • 引き出しの底に新聞紙を敷かない
  • 数種類の防虫剤を一緒に使用しない
  • たとう紙の窓のセロファンのそばに防虫剤を置かない
  • 着物を脱いだ後、干すのは2~3時間にしてヤケを防ぐ
  • 日差しの無い部屋でも、照明でヤケてしまうこともある

万一、シミや染みができたらきもの辻へご連絡ください。50年先でも着られるように、お預かりサービスも行っています。温度、湿度の管理がされた環境で保存し、もちろんカビ、シミ、虫食いから守ります。

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