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店主の想い

藤吉 徹

きもの辻店主の藤吉と申します。

「きもの辻」は、お客様の様々な着物のお困りごとを解決する店です。

多くの人は、着物で出掛けるのは特別な行事、イベントの時だと思います。
それ故、慣れていない方が着物を着るとなると、事前の準備やアイテムの確認、着付け、写真撮影の手配など気を遣うことがたくさんあります。

そんな時に、着物に関してすべて頼める相手、相談できる相手がいたらどんなに助かるだろうと思うのです。

きもの辻では、これらをお客様が気軽に任せられる、声を掛けやすいお店でありたいと考えています。

当店を頼りにしてくれるお客様への対応は、私自身の家族や親せき、友人がきもの辻を利用してくれた時と同等のサービスを提供したいと考えています。

親しい人から預かった着物は丁寧に検品して細かなところにも気づいてあげ、着物に優しい作業、最良の技術を選択し作業してあげたいものです。

そして、着用するために何か足りないものがあれば用意してあげたい。

さらに、着こなしやコーディネートの相談にも着物専門家としてアドバイスをしてあげたい。

着付け、写真撮影の手配が必要であれば、出張してくれ信頼できる着付け師、カメラマンを紹介してあげたい。

そして、着用後のお手入れやその後の保管についても、必要なアドバイスや安心できる保管サービス等を提案してあげたい。

着物を着る前の準備から、着た後の保管に至るまで、全部手取り足取りお世話してあげたい。

このように思うのです。

きもの辻は、そんな気持ちで作ったお店です。
有難いことに当店を頼って頂ける方のお困りごとのほとんどを、解決させていただけるようになりました。

そして、着物お手入れの各作業においては、私自身の身近な家族や友人が「ぜひ、利用したい!」と心から思えるような内容にこだわりました。

こだわった結果、業界の相場より少々料金が高くなってしまいましたが、やはり大切な着物は丁寧に、優しく、最良の方法でお手入れをしたいと思うのです。
多少の料金の差よりも、着物にベストな選択を、という考え方がきもの辻のスタンスです。

利用いただいた方には「もう他のお店には出せない」と思っていただけることをひとつのゴールと設定し、あとは作業やサービスをひたむきに1点1点丁寧に、誠実に実行するだけと考えています。

その姿勢を変えないために、弊社では呉服店など業者様からの依頼は丁重にお断りさせていただだいております。
多くの案件を扱えば売上は大きく増えますが、数多く扱えばそれだけ各セクションの担当者が疲れてしまいますし、そうなると人間ですから丁寧さが欠けてしまったり見落としが出てしまうかもしれません。
そのため、お客様は個人の方だけと決め、日々1点1点のスタンスを貫いています。

その当店のこだわりの部分を、少しだけ紹介させていただきたいと思いますので、ぜひ目を通していただければと思います。

丸洗いのこだわり − お客様の着物を最も綺麗な溶剤で洗うこと

どこでやっても大差ないと思われている「丸洗い」で徹底的に綺麗さをこだわりました。

着物を洗う溶剤は、ドライ機(洗濯機)内蔵のろ過フィルターを通すことで何度も再利用されます。概ねどの業者も同じ仕組みの機械を使い、同じ性質の溶剤を使用し洗っています。

差といえば、丸洗い作業前に行う「下洗い」と呼ばれる、汚れやすい衿や袖口を事前に洗う工程などで仕上がりに違いが出ます。

きもの辻では、兵庫県西宮市に自社工場を備え、下洗いはもちろん、カビ取り丸洗いの依頼を受けた際はカビをひとつずつ染み抜きするなど、丁寧な事前作業を行っています。

さらには、お預かりする着物の中には、着物製作工程において伝統的な技法を用いていないものもあり、そういったものは色流れ(色落ち)するものも稀にあるため、色流れチェックまで行います。
それをしなければ、折角綺麗な溶剤を用いて洗っても、そこに染料が混じってしまえば台無しになってしまうからです。

実は、きもの辻で最もこだわっているのは作業自体ではなく「溶剤の綺麗さ」です。

前述した通り、溶剤はろ過フィルターを通し何度も再利用されます。
仮に、その都度新しい溶剤を使うとすれば、溶剤の入れ替え作業に数時間を要し、さらにコストがかさむために着物1枚当たり数万円の代金をお客様からいただかないと商売として成り立たちません。
そのため、ろ過フィルターをを通すことで溶剤を綺麗にし、再利用をし何度も使用することでコストを抑えられるわけです。

ただ、ろ過フィルターを通して不純物を取り除き綺麗になったとしても、実際には何回も再利用すれば明らかに新品の溶剤とは見た目から異なるものになります。
はっきりいって汚れるのです。
これでは、新品の溶剤で洗った時と、再利用を20回した溶剤で洗った時では、間違いなくクオリティの差が出るのは誰が考えてもわかることです。

私は、この課題を解決するためにひとつの設備を導入しました。

それが「蒸留器」です。

着物を丸洗いをする同業者には、現時点ではほぼほぼ導入されていない機械であり、溶剤の綺麗さを最高水準に保つための専用設備です。

この機械の仕組みは、一度着物を洗った溶剤を蒸留器に引き込み、気化しやすい特性を持つ石油系溶剤に熱を加え、気体に変化させ、同時に汚れや不純物と分離するのです。
そして一度気体にした溶剤のみを急速冷却することでまた液体に戻すわけです。

その結果、液体に戻された溶剤には不純物も汚れも一切ない、新品の溶剤と同様のクオリティに戻るという仕組みです。

いつでも新しい溶剤を使用するのと同等の形で、お客様にとっては極めて恵まれた環境で大切な着物が洗われるというメリットがあります。

きもの辻の丸洗いは他店よりも割高ですが、このようにこだわり抜かれた設備と丁寧な事前作業を備えており、「ただの丸洗い」とは一線を画したものと自負しています。

汗抜き洗いのこだわり − 完全除去を目的に独自のW洗い

「汗抜き洗い」についても、こだわりを持っています。

汗抜き作業自体ご存じの方も少ないと思いますので、簡単に説明します。
汗を吸った着物に霧状の水をかけ、それを乾燥させることでしみ込んだ汗を一緒に蒸発させます。いわば、汗を薄める作業みたいなものです。

これを業界大手のメンテナンス会社では立派な設備を備えていて、高圧蒸気を用い、効率的に行います。
個人店の職人レベルでは、高圧蒸気ではなく、細かい霧を作れる噴霧器というものを手で持ち、汗を吸った着物の箇所に霧をかけて汗抜き作業を行います。

当店においても、12、3年前までは後者の方法を採用していて、霧をかけて蒸発させる工程を行っていました。

しかし、作業していた私自身がこの方法では完全に汗の成分を除去することが難しいのではないかと考え、それ以降は染み抜き機を使った独自の汗抜き作業に切り替えました。

実は、汗といってもそこに含まれる成分には相当の個人差があります。

ほぼほぼ水という体質の方もいれば、汗に「脂質」「タンパク質」「アンモニア」「脂肪酸」を多く含む体質の方もいます。水体質の方には業界標準の作業対応で問題ないと思いますが、タンパク質や脂肪酸等を含む体質のの方には弊社のような作業を行わない限り着物に残留してしまうのです。
残留するとどうなるか?というと黄ばんだり、酸化してシミになったりします。
家庭の洗濯機でちゃんと水で洗った白のTシャツでさえ、脇や首回りが黄ばんだりしますよね?それと同じです。

やることは染み抜き作業とまるで同じで、汗を吸っている箇所を確認しながら衿や袖口、脇部分や背中、腰回り、膝裏など必要なところを一箇所一箇所油性洗いと水性洗いを繰り返し行い、完全に汗の成分を洗い流す方法です。

当然ながら相当な時間がかかります。
噴霧器を使用していた時と比べると、着物1枚あたり6倍以上の時間がかかってしまうので作業効率はかなり悪いのです。
しかし、汗の成分はその分残留することがありません。

着物にとってはこの方法がベストなのです。
もちろんそれは、お客様のメリットでもあると考えています。

ただ、そこまでこだわってしまったことで、現実的にはあまり儲けのないサービスメニューとなってしまっています。
しかし、利用してくれるお客様にはとても喜んでもらえているので、今後も続けていきます。

染み抜きのこだわり − 古いシミに特化。30年前のシミも97%以上の修復率

きもの辻が創業時に最もこだわっていたのが「染み抜き」です。
染み抜きの中でも特にこだわったのが「30年以上前の古いしみの染み抜き」です。

こだわった理由は単純なもので、私の周りに古いシミを完全に落としきるお店がなく、困っているお客さんが多くいたからです。
「これが限界です。これ以上作業すると生地が傷みます」と言われ、シミが残った状態で納品されてしまう。お客様が期待した結果は得られずとも作業した分の料金はかかるのです。

お客様が期待していることを叶えたい。スッキリ綺麗にして喜んでもらいたい。
そんな思いで染み抜きには強いこだわりを持っていました。

それを実現するため、創業時から自社で染み抜き技術開発を社員と進めると同時に、私の理想を実現できる職人を探し歩くことから始まり、関東を中心に60件余り、京都も含めて100件以上訪ね、4年近く探し続けてようやく理想に近い職人を見つけることが出来ました。

その職人は私の考えに近く、お互いに共感でき、それ以降ずっと現在に至るまで長くお付き合いをさせていただいています。
その影響もあってか、染み抜き部門の社員も技術を身につけ、30年以上前の古いシミを毎日数多くきれいに出来るようになり、多くのお客様の要望に応えられるようになりました。

100件以上の職人を訪ね、自分の目で確かめてきたからこそ言えることは、きもの辻に古いシミ、例えば「30年以上前のシミ」の染み抜き作業を依頼いただければ、ご満足いただける結果を提供できるということです。

古く変色もして諦めていたシミが、跡形もない状態になって目の前に戻ってきた時に驚かれるお客様も多いです。
そういった方はよくお客様の声を書いて送ってくれるので、今古いシミで悩まれている方は、その方々の感想を見てもらえればと思います。

着物の保管へのこだわり − 長期保管に特化した50年先も着られる保管技術

私共の着物保管サービスでは、「50年先でも良い状態で着用できる」ための保管技術を目指しています。

一般的に、有料で依頼する保管サービスでは、ち密な湿度管理や紫外線防止等の環境で保管されることが多いと思います。
それは正しい保管の仕方ですが、割と頻繁に着物を出し入れする場合に適した保管方法である、と当店では考えていて、長期に渡って着用しない着物の保管方法はまた別に考える必要があると考えています。

私共がお預かりする着物のほとんどは、1年、5年、10年と長期にわたって使用予定のないものばかりです。
その場合、例えち密な湿度で管理したとしても、着物の生地や加工部分の酸化は避けられません。経年劣化からは逃れられないのです。

「50年先」を見据えた着物保管では、自然の経年劣化をどれだけ防げるかが勝負になります。そのためには、経年劣化をしにくい環境が必要になるのです。

簡単に言えば、私共が預かった時の着物の状態をそのまま経年劣化させることなく、10年先、30年先にお客様にお返しする際も出来る限り変わらない状態を維持できている、とういことです。
そのために湿気や空気の入らない保管パック環境でさらに紫外線による変色も防ぐため光の差し込まない状態で保管をすることにしています。

この保管は、湿度や空気が侵入していないか等のチェックが必要なため、着物専門家である専任の担当者がどうしても必要になります。そうすると、一般的に行われている地方(新潟県が多い)の大型倉庫での管理には不向きであり、日々の管理を前提にするとどうしても都市部での管理になります。

弊社では東京日本橋において管理をしているため、いわゆる保管場所のコストも高額で、お客様から頂く保管料も決して安くはありません。

ただ、その分マメな管理が出来ること、お預かりしている着物の急な使用、返却にも即対応出来ることは、これまでお客様に喜んでいただき、評価をいただいております。

帯合わせのこだわり − 着物はそのまま。帯だけ替えてイマドキに

当店では、「手持ちの着物はそのまま。帯だけ替えてイマドキに」というコンセプトで、新品の帯を提供するサービスを行っています。

当店を訪ねてきてくれる多くのお客様は
「久し振りに着物を着る」
「お祝いの行事やかしこまった式では着物で出席する」
「観劇が趣味でその時に」
「友人同士でディナーやパーティには着物で」
といった感じで、毎日、毎週習い事や仕事で着物を着ているという方々は少なく、大切な行事への参加する時や、そのイベントを着物で着飾り楽しみたい時に着る方が多いです。

特に久しぶりに着物を着る方からは、「着こなし」についても相談を受けることがあります。

やはり女性の方は「いつも同じ格好(組み合わせ)は避けたい」と考える方も多く、「帯を変えてみたい」という話になることも少なくありません。
そういったニーズに応えられるよう当店では帯のみ在庫を置いています。

私はこれまで15万着以上の着物を見てきて思うのは、「着物は流行に左右されないものが多い」ということです。

8割9割は、購入から30年経ったものでも流行に左右されず当たり前のように着られます。

ところがその反面、帯は柄の大きさや質感の流行が激しく、その当時着物と一緒にセットで購入したものをそのまま使うと、周囲に若干古い印象を与えてしまうケースがあったり、何より本人が飽きてしまうというか、「イマドキの装いにしたい」という気持ちになるようです。

帯合わせサービスは、そういったお客様の気持ちに沿って生まれたサービスでもあります。

たとえ古くても着物は生かそう。
帯を変えることでイマドキの装いにするべき。
これが私の考え方です。

「着こなしは帯が9割」といっても過言ではありません。帯の影響はとても大きいのです。

帯さえ変えれば、また今どきの装いとしておしゃれに、人に見てもらいたくなるようなワクワクする着こなしになります。
「着物1枚帯3本」という言い回しがありますが、それが理想の合わせ方かもしれません。

当店を利用してくれるお客様皆さんには、そんなワクワクした気持ちになっていただきたいと思う気持ちが強くなり、帯だけは私自身か番頭が仕入れに行き、高品質の帯を在庫としておくようになり、それを安いと言われる通販サイトよりも低価格で提供するようになりました。低価格にしたのは、お客様に「着物1枚帯3本」を実現していただくためです。

実際に店舗に帯を見に来られた方は「なぜ、こんなに安いのか?」と疑問を持たれるようですが、それもそのはずほぼほぼ原価でお譲りしているからです。

帯での儲けは捨てて、まずはお客様に満足のいくワクワクする着こなしを実現する。
そうすればその方はまた着物で出掛けたくなる。
その方の着物を着る回数が増えれば増えるほど、私共の得意な着物お手入れへの依頼が増える。そこで儲けさせていただこうと考えています。

購入された方は、私共が恐縮するくらい喜んでくれる方もいらっしゃるので、何気なく始めたサービスですがこの先も続けていこうと思っています。

社会貢献活動のこだわり − 着ない着物を着たい人のもとへ橋渡し

「私たちに何か社会貢献活動出来ることはないか」という考えからスタートしたのが「きもの仲人さん」という取り組みです。

仕分けサービスなどでお客様のご自宅に伺い、残す着物と手放す着物を分けるお手伝いを行っています。
その際、手放す着物の中にはまだまだ着られる状態のものや、一度も袖を通していない着物などもあります。

「もう着ることがないから」「残しておいても娘もいないし、着てくれる人がいないから」という理由で手放される着物は今、とても多いです。

中には買い取り業者に引き取ってもらう方もいらっしゃいますが、当店を利用される多くのお客様は「大切にしてきた着物を二束三文で売るのは嫌。だったら、喜んで着てくれる人に譲りたい」と希望されます。

その声から誕生した「きもの仲人さん」では、その手放す着物を引き取らせていただき、私共でクリーニングを行い、店頭に飾り、その着物を着たいと希望される方にお譲りしている活動です。

大切にしてきた着物が、また新たな人の手に渡り大切に着てもらえる。
着てもらえる側も嬉しいし、着る側も嬉しい。
感謝と感謝で繋がれるこのサービスを私はとても気に入っています。

着物を通して、世の中に感謝の量を増やしたいと共感していただける方にはぜひご参加いただきたいと思います。

以上、きもの辻のこだわりを紹介させていただきました。

きもの辻店主 藤吉 徹