着物クリーニング事例10 紗袷のメンテナンス:胸元の「汗ジミ」を柄足しでカバーする

紗袷(しゃあわせ)風に作られた着物の、汗ジミのご相談をお受けしました。

色と素材の性質上、写真だと少し見えにくいですが胸元にやや大きめの変色があります。 

汗ジミ…
生地に残った汗の成分により変色してできたシミ。

汗には色が無いため生地の中に残っているかどうかの判別は難しく、
数年後変色してしまったというご相談も多いです。

紗袷は、「紗」という薄物と裏地を合わせた着物 。
思いのほかシミが手強く、無理に染み抜きを進めると薄い紗の生地を傷めてしまう恐れがあります。

そこでお客様に、染み抜きではなく「柄足し」をご提案いたしました。 

柄足し…
シミを美しい柄などで隠す着物メンテナンスの方法。 

全体がシンプルな着物なので、一か所だけに柄があるのが不自然になるかもしれません。
その場合、バランスを取って他の箇所にも柄を足す必要があることも併せてお伝えいたしました。

お客様は「柄足し」を選択されました。

しっかりヒアリングして、いよいよ「柄足し」

柄足しの時は、作業前に必ずしっかりとヒアリングをしていきます

今回もいくつか柄のイメージをご提案し、どんなニュアンスに仕上げていくかを共有してから作業を開始しました。

今回お預かりした着物は、内側の生地に描かれた柄が紗の生地越しに薄く透けて見える美しい作りです。

そこで、内側の柄の雰囲気に合わせて紗の生地に柄を足していきます。

元のシンプルな美しさを損なわないような柄を描き入れ、シミを隠しました。
内側から見える柄との重なりにも気を配って仕上げます。

お客様からも「 柄入れが素敵です」とお喜びの声をいただきました。

特殊な生地のシミでも、様々なメンテナンス方法があります。
ダメかな…と思われる着物でも、一度ご相談ください。

汗ジミを「予防」する

最初に書いた通り着物が汗を吸っているかどうかの判断は難しいものです。

ご着用後保管する前に、汗が残っていないか着物クリーニングのプロに確認してもらうことをおすすめします。

もちろん当店でも汗抜きのメニューがありますので、生地が汗を吸ったままかどうかご心配な時にはぜひご相談ください。

汗抜き丸洗いについて詳しくはこちらをご覧ください(きもの辻HP)

コメントを残す

このページの先頭へ