【着物クリーニング事例6】「生地の傷み」がある、染み抜き困難な着物のメンテナンス

今回の事例は「シミ」のメンテナンスです。
通常の染み抜きが難しく、シミの上に美しい柄を書くことでシミを隠していく「柄足し」という方法でメンテナンスいたしました。
なぜ染み抜きが困難だったのか?
その理由も後述していきます。
【染み抜き前の着物チェック】シミの周りの生地の傷みを発見
「譲り受けた着物に染みがあるので、きれいにしたい」というご依頼でお受けした着物。

きもの辻ではまずクリーニング作業に入る前に、着物の状態をしっかりチェックしてお客様にメンテナンス方法をご提案しています。
シミがいくつかあったのですが、よく見るとシミの周囲の色が変わっていたり、生地に毛羽立ちなどが見られました。
着物が「染み抜き」困難なときは
着物の状態チェックで分かった「着物の状態」と、そこから「予測されること」をまとめました。
着物の状態
- 水ジミが広がっている
- 生地を擦った跡があり、毛羽立って傷んでいる
これらは、自力で染み抜きをしようとした着物に多く見られます。
着物の生地を傷めずに染み抜きをするには、知識と技術を必要とします。
染みを発見すると気持ちが焦ってしまい、何とかならないか試してみたくなるものですが、
自分で染み抜きすることによって汚れが広がってしまったり、生地の毛羽立ち、柄の色抜けなどのトラブルに発展してしまうことも多いです。
予測されること
- 染みもかなり濃いので、生地をこれ以上傷つけないように染み抜きしても完全には落としきる事ができない可能性がある。
- もしシミを完全に落とす事ができたとしても、今度は逆に生地の傷みが目立ってしまうかもしれない。
そこで、お客様に着物の状態を詳しくご説明し、「柄足し」をご案内しました。
柄足し…シミの上に柄を描きたすことで、シミを隠す方法。
お客様のご了承を得て、「染み抜き」ではなく「柄足し」で作業を進めていくことに決定しました。
違和感のない美しい柄足しでメンテナンス完了!

目立つシミの上に周りに合わせた柄をおくことにより
- もともとのシミ
- 周囲の水ジミ
- 生地の傷み
などを美しくカバーすることができました。
元の着物の柄に合わせた絵柄をバランスを見ながら描いていくので、違和感もありません。

シミへの対処と言っても、染み抜き以外にもさまざまな方法があります。
着物の状態やお客様のご希望に添った方法をご提案していきたいと思っております。

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