昔ながらの洗濯とは

こんにちは、日本橋店番頭の松田です。

近頃「洗い張り」の依頼が多くなってきました。コロナの影響ですか、外出せずに家の中の片付けをされているようで、箪笥の整理も増えているのでしょう。

箪笥に眠っている着物たち、昭和の香りのお祖母様の着物など、素敵な着物がありますよね、そこで自分の寸法になおして着てみたいと思う方が、ご相談にみえています。

お直しするために「洗い張り」、クリーニングと仕立の作業となります。

着物を「洗う」作業は室町時代には存在していたようです。江戸時代には一枚の着物を何度も洗い張りして、着回していた様子が伺えます。

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浮世絵にもなっていました。日本古来の伝統的なお手入れの仕方ですね。

昭和の20年代くらいまではそれぞれの家で作業をしていた様子です。その後はだんだん減って、「丸洗い」が増えていくようです。

戦後、進駐軍の影響で「クリーニング店」が増えて、ドライクリーニングを中心としたお手入れになり、洋服も着物も「丸洗い」することができる今の様子になって来ました。

洋服は「洗い張り」して仕立て直すという考えで作られていません。中世ヨーロパではドレスを洗うことはしなかったとそうで、「丸洗い」(ドライクリーニング)ができるまでは廃棄していたそうです。

衣服に対する日本人と欧州の人と考え方が違うことが感じられます。着物を大事にすることは「日本人の心」だと思います。

お祖母様やお母様の着物も直して着ることができますので(一部不可もあります)いちどご相談にお越しください。

ちょうど1年前の8月に、「洗い張り」と「丸洗い」の記事を書いていましたこの時期に偶然でした。夏場にこそ、袷の着物のお手入れが都合良いのですね。

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