留袖の裾を見てみた。
こんにちは、日本橋店番頭の松田です。
何十年ぶりかに、箪笥から留袖を出して、お手入れしようと思ったら、裾から白い生地が出ていたなんてことありませんか?

写真の状態は,軽症です、もっと出てくるものもあります。
留袖を説明しますと、表地の内側に比翼地という白い羽二重を取り付けます。この謂われは、その昔重ねて着用したこと。二枚着ているように見える方法の簡素化として、襟、袖、裾全体に部分的に白い生地を縫い付けます。

この状態は、留袖の素材に原因があります。使用する素材は「ちりめん」系の白生地です。緯糸に「より」という捩じる作業をして糸を作りますが、その「より」が「しぼ」という風合いを生みます、厚みのあるふっくらとした素材になりますし、染めあがりも深みのある色合いを出す効果があります。留袖の黒色も深みが増します。
比翼地に使う素材は、「ちりめん」とは違う、「より」が少ないほぼさらっとした風合いの「羽二重」になります。
縮み易い素材と縮みにくい素材が縫い合わされていますので、湿気などの要因で縮みの差が生じるということです。
この状態を解消することは、比翼地を裁ち縫い直す方法が最適です。
このような状態に気が付かれましたら、ご相談ください。
日本橋店にてお待ちしています。
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