寸法直しの秘技とは!

こんにちは、日本橋店番頭の松田です。

近頃は、「ママ振り」といわれるお母様の振袖をお嬢様が、成人式に着ることが多くなりましたね。とても良いことだと思います。数十年前に祖父母様がお母様に作ってくれた振袖をお孫さんにあたるお嬢様が受け継ぐ事、着物だからできる伝統です。愛情があふれたきものです。

しかし、近年のお嬢さんは栄養が良いのかどうか、手足が長いですよね。身長も大きくなっていますから当然でしょうが。

身長の場合、丈を伸ばすことは比較的簡単です。しかし、手の長い場合は少し厄介です。

そこで、今回は裄のお直しの案件。

裄(首の付け根から手のくるぶしまでの長さ)は、伸ばしても着物の生地の幅によって限界があります。

一般的な生地幅から、可能な裄の長さは1尺8寸(約68㎝)までは出せます。それ以上は物理的に難しいのですが、裏技があります。

一般的な寸法の振袖の裄、尺差し(メジャー)は2尺(76㎝)

この振袖の裄は、1尺7寸2分(65.5㎝)で一般的な寸法です。

そして、次の写真は、奥の手を使ったものです。じっくりと見てください。

裄がとても長く、2尺の差しがいっぱいです。

この振袖の裄は、1尺9寸7分(75㎝)と生地幅以上の寸法になっています。

袖をよ~く見てください。袖口部分が黒い縁取りのように見えませんか、この部分は継ぎ足したところでです。

着物の色柄にも限られますが、このように、アレンジすることが可能です。正に、着物マジックです。

お相撲さんの着物なども、脇などに足し布を継いで大きくしています。和裁は素晴らしい技術だと思います。寸法でお困りの事、なんでもご相談ください。

余談ですが、日本橋店のある人形町駅は日比谷線が通っています。その日比谷線の車両の荷物棚は、「麻の葉」模様でした。(鬼滅の刃で有名?)

日比谷線の荷物棚

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