30年前のお祝い着、綺麗になるの?

こんにちは、日本橋店番頭の松田です。

一年が幕を閉じようとしています、10月、11月は駆け込みのように七五三参りやお宮参りのお祝い着のお手入れがありました。30年前のご自身のお祝い着を着せてあげたい。親子2代にわたり受け継がれることは、とても素敵なことです。

しかし、永い事箪笥や押し入れで眠っていたお祝い着、残念なことにシミがあちらこちらに、茶色くまだらに、あるあるの事例です。

今回は男児のお宮参りのお祝い着でした、若いお父さんがご自身の時にお祝いしてもらったお祝い着で、息子さんをお祝いしたいと出してみたら、シミの被害にあっていました。

そこで、しみ抜きをということで、ご相談にこられましたが、シミの程度がきつくて、しみ抜き作業ではきれいにするには限界があると、では、どうする。

しみを見えなくする・・・隠す、お化粧をしてしまう。


金銀箔を使って、細かい砂子で覆い隠す技法にしました。

元来、友禅染めの最終技法として、かさ上げ、豪華さを出すために金銀箔は使われてきたものですから、全然違和感なく仕上がります。

裏話ですが、友禅染めで染料が滲んではみ出したりした箇所を補正するために、金銀箔や刺繍をして隠したことはままあったことです。

ということで、シミが見えなくなり、さらに豪華さが増した仕上がりになりました。

着物を作る工程には、様々な修正方法が隠されています。染めの技術、仕立ての技術など、日本のきもの文化の奥の深さを実感します。

着物の事で、お困りごとがありましたら、一度「きもの辻」にご相談ください。お待ちしています。

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