着物 洗い(丸洗い/汗抜き併用丸洗い/カビ取り丸洗い)
丸洗いだけでは汗やカビを落とすことはできない
- ▼ 放置した汗の染み
- ▼ カビによる変色
「丸洗いしてからしまったのに、久しぶりに出したら染みができている」
当店を利用されているお客様から、よくいただくご相談です。
意外に思われるかもしれませんが、これは、汗が原因で染みになっているのです。
絹は塩分にとても弱く、汗が付いたまま放っておくと黄色く変色します。さらに放っておくと生地が弱くなり、破れやすくなります。
着物を着ると知らないうちに汗をかいてしまうものです。
帯や肌着や伊達締めなど、あれだけ重ねて着てるのだから当然の事です。
しかし、汗は着物に付いたときは目に見えず、変色した後に気づく方が多いのです。
なぜ、丸洗いしたのに、汗が残っていたのでしょうか?
実は、丸洗いをしても汗の汚れは落とすことができません。丸洗いは皮脂、ほこり、排気ガスなどの油性の汚れは良く落ちますが、汗や雨などの水性の汚れは落とす事ができません。汗を落とすには水洗いが必要になります。汗をかいたなという着物は必ず汗抜き水洗いをしてください。
丸洗いしてもカビの菌は残る
また、「カビは、丸洗いで落ちますか?」というご相談も良くいただくのですが、カビは丸洗いでは落とせません。丸洗いしても、カビの菌は残ってしまうためカビを叩きだすしみ抜き作業が必要になります。
汗は水洗いで落とす
汗は水で洗い流すのが一番です。
とはいっても着物をざぶっと水の中にいれることは出来ません。汗抜きとは、汗をかいた部分に水をかけて汗を抜いていく作業になります。
汗をかいたか、わからないときはどうしたら良いのでしょうか?
これにはわかりやすい目安があります。
着用後、着物に風を通すため数時間ハンガーに吊るしておきます。その時、帯下や膝の裏、袖付あたりなど、なかなかシワが取れない箇所があると思います。さらに数時間吊るしても同じだったら、その場所には汗が付いています。
生地があまり良くないからシワが取れないと思われる方も多いようです。確かに、生地が良くないせいでシワが取れないという事もあります。しかし、ほとんどの場合は汗が原因でシワが取れにくくなっているのです。
汗が直接浸透してる場合は割と本人も自覚があるのだけれども、蒸気になって浸透している場合は気付かない事が多いのです。
- ▼ 表地のシワ
- ▼ 裏地のシワ
カビには菌を取り除くための作業が必要
黒留袖に白くポツポツとできたカビや、全体的にカビ臭くなっている着物は1箇所ずつしみ抜き作業をしてカビを落とします。
しかし、カビが原因で黄色や茶色に変色してしまったところはカビ取り丸洗いでは直らないため、変色を直すための補正作業を行い修復していきます。
- ▼ ポツポツとできたカビ
- ▼ カビによる変色
「汗抜き」をやっていないお店の事情
「汗抜き」や、「カビ取り」は着物クリーニング専門でない店や、専門と書いてあっても、作業を下請けの業者にだしている店では取り扱っていない事が多いです。
多くの方が、着用時に汗をかいてお手入れしておこうと思い、お店に持っていったら、「では、丸洗いしておきましょう」と言われていると思います。
先ほど、丸洗いでは汗の汚れは落とせないというご説明をしました。それなのに、どうして汗汚れに丸洗いを勧められるのでしょうか?
残念な話ですが、単純に、知識が不足しているのです。汗抜きの技術がないからやっていないという場合もありますし、そもそも丸洗いで汗が落とせないことすら知らない場合もあるのです。
丸洗い
着物丸洗い専用の機械を使用して、水は使わず、専用の溶剤でドライクリーニングします。皮脂や、ほこり、チリ、排気ガスなどの油性の汚れを落とします。
1着ずつネットに入れて洗う
着物どうしの汚れが移らないように、1着ずつネットに入れて洗います。
- ▼ 丸洗い専用の機械
- ▼ 1着ずつネットに入れる
丸洗いの溶剤の品質は常時最高の品質を維持する
着物を1回洗うとかなり汚れが出ます。溶剤を変えずに次の着物を洗っても、きたない水で洗っているようなものなので、きれいになりません。そのため、当店では必ず使用する溶剤を蒸留機にかけます。蒸留機では、溶剤の中の細かな不純物を除去しております。
- ▼ 洗い前:透明な溶剤
- ▼ 洗い後:汚れが出て黄色く濁っている
衿や袖口の汚れは下洗いで落とす
▼ 衿汚れの下洗い
衿や袖口など汚れの付きやすい部分は、先に下洗いをします。下洗いをちゃんとしないと、汚れの付きやすい部分はきれいになりません。
丸洗いの流れ
- 1. 染み、色焼け、スレがないか着物をチェックします。
- 2. 衿・袖口・裾など、汚れの着きやすい箇所を下洗いします。
- 3. ドライ専用の洗濯機で、揮発性有機溶剤に洗剤をいれて洗います。
- 4. 自然乾燥で乾かします。
- 5. 蒸気のみでアイロン仕上げをしてふっくらと仕上げます。
- 6. 汚れが残っていないか、ほつれ、破れがないか確認します
丸洗いの料金
※価格は全て消費税込みです。
小紋 | 9,900円 |
---|---|
紬 | 9,900円 |
色無地 | 9,900円 |
附下 | 11,000円 |
訪問着 | 11,000円 |
振袖 | 14,300円 |
喪服 | 9,900円 |
留袖(比翼付) | 14,300円 |
留袖(比翼無し) | 11,000円 |
道行コート | 11,000円 |
道中着コート | 11,000円 |
雨コート | 11,000円 |
二部式コート | 11,000円 |
羽織 | 11,000円 |
袋帯 | 6,600円 |
名古屋帯 | 6,600円 |
半幅帯 | 4,950円 |
角帯 | 4,950円 |
兵児帯 | 4,950円 |
浴衣 | 11,000円 |
絞り浴衣 | 13,200円 |
袴 | 7,700円 |
七五三用祝着 | 11,000円 |
祝着襦袢 | 6,600円 |
振袖長襦袢 | 7,700円 |
長襦袢 | 6,600円 |
被布 | 7,700円 |
お宮参り用祝着 | 11,000円 |
作務衣 | 7,700円 |
半纏 | 7,700円 |
帯揚げ | 1,650円 |
帯じめ | 1,100円 |
子供羽織 | 8,800円 |
半衿 | 1,100円 |
羽織ひも | 1,100円 |
腰紐 | 880円 |
足袋 | 2,200円 |
重ね衿 | 1,100円 |
肌襦袢(スリップ)※水洗い | 4,400円 |
肌襦袢(二部式)※水洗い | 5,500円 |
汗抜き併用丸洗い
丸洗いと汗抜きの両方を行います。皮脂やほこりなどの油性の汚れも、汗などの水性の汚れも両方落とすことができます。
しばらく着用の予定がない着物にはこの汗抜き併用丸洗いをお勧めします。
汗をかいた部分を一か所ずつ油性処理、水性処理をしみ抜き機を用いて行います。
絹は塩分を吸収すると硬くなり、きついシワができます。また、汗の残った状態で放置すると黄色や茶色に変色し生地が弱くなります。
すでに輪ジミになっている部分や、黄変している部分は染み抜きが必要になります。
- ▼ 放置した汗の染み色
- ▼ 汗によるシワ
汗抜き併用丸洗いの流れ
- 1. 汗、汚れ、染み等を全体的にチェックします。
- 2. 汗の残っている部分を一か所ずつ洗う。
主に脇や衿、帯下など汗を吸っている箇所を生地の状態を確認しながら一か所ずつ油性洗い、水性洗いを繰り返していきます。大変時間のかかる作業です。 -
- 3. 自然乾燥で乾かします。
この段階ですでに塩分は抜けており、さらっとした絹の風合いに戻っています。 - 4. 衿汚れ、袖口や裾、そのほか丸洗いをして身頃や袖などの汚れを落とします。
- 5.蒸気のみでアイロン仕上げをしてふっくらと仕上げます。
汗抜き併用丸洗いの料金
※価格は全て消費税込みです。
汗抜きの他に全体のクリーニングの丸洗いも行う作業です。汗抜きで落ちない油性の汚れも落とせます。大変お得なメニューです。
留袖比翼付き | 23,100円 |
---|---|
振袖 | 23,100円 |
袷着物 | 18,700円 |
単衣着物 | 17,600円 |
長襦袢 | 11,000円 |
振袖長襦袢 | 13,200円 |
帯 | 12,100円 |
袴 | 18,700円 |
帯揚げ | 3,850円 |
カビ取り丸洗い
▼ カビを1箇所ずつ手作業でしてカビを落としていく
皮脂やほこりなどの油性の汚れとカビを落とします。
黒留袖に白くポツポツとできたカビや、全体的にカビ臭くなっている着物は1箇所ずつしみ抜き作業と全体クリーニングを行いカビを落とします。
カビ取り丸洗いの料金
※価格は全て消費税込みです。
小紋 | 22,000円 |
---|---|
紬 | 22,000円 |
色無地 | 22,000円 |
附下 | 23,100円 |
訪問着 | 23,100円 |
振袖 | 27,500円 |
留袖(比翼付) | 29,700円 |
長襦袢 | 18,700円 |
道行コート | 23,100円 |
道中着コート | 23,100円 |
雨コート | 23,100円 |
二部式コート | 23,100円 |
羽織 | 23,100円 |
袋帯 | 19,800円 |
名古屋帯 | 19,800円 |
半幅帯 | 15,400円 |
角帯 | 15,400円 |
兵児帯 | 15,400円 |
浴衣 | 22,000円 |
絞り浴衣 | 26,400円 |
袴 | 18,700円 |
七五三用祝着 | 23,100円 |
祝着襦袢 | 18,700円 |
振袖長襦袢 | 19,800円 |
お宮参り用祝着 | 23,100円 |
被布 | 19,800円 |
作務衣 | 19,800円 |
半纏 | 19,800円 |
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