「着ない着物どうする問題」に頭を悩まされている方へ。
『仕分け』で手つかずの着物をスッキリさせる!
「着ない着物どうする問題」に頭を悩まされている方へ
このページでは、「着物の片付け」の実際の手順や処分方法などについてご説明いたします。
「普通の服なら片づけられるのに、着物はどうしていいか分からず手を付けられない」
「着ない着物を、ずっと放置してしまっているのが辛い」
「タンスの中を確認するのも怖い」
そんなお悩みをお客様からよくお聞きするのですが、そのお気持ち、とってもよく分かります。
着物に対して、どんどんネガティブな感情がつのってしまいますよね。
こんなストレスを少しでも軽くするお手伝いがしたくて、「着ない着物問題」への向き合い方や片付けの手順をこのページにまとめました。
一人で着物の片付けが辛い場合
当店スタッフが実際にお伺いし
「今後必要になるのはどの着物か、どの帯か」
「心残りはあるけれどお別れすべき着物や帯がどれなのか」
などのご相談を受けながら仕分けのお手伝いをするサービスもございます。
自分で片づけにチャレンジされる場合
このままこのページをご覧ください。少しでもお役に立てましたら幸いです。
まずは「着物の片付けの手順」の確認
着物の片付けも、基本は洋服と同じです。
- タンスや衣装ケースから出す。
- 必要か判断する。
- 必要なものは取り出しやすいよう収納、不要なものは処分。
洋服ではこれがすぐにできるのになぜか着物では手が止まってしまう。
着物の片付けが後回しになり、「着ない着物がタンスにいっぱい」。
こうして、「着ない着物どうする問題」に頭を悩まされることになります。
実は、着物の整理整頓・処分を後回しにしがちなのは、片付けするご本人の意志の問題でも技術の問題でもありません。
当店のスタッフが感じた「着物を片付けられない大きな理由」は二つです。
理由1:捨てる、残すの「仕分け」の判断材料が無い
- 自分で着そうな着物か(冠婚葬祭など)
- 誰かに譲れそうか(お祝い着、振袖など)
- 良い着物かどうか など
今後着そうな着物かどうかは、着物の種類とTPOが分かる本で調べたり、詳しい方に聞いたりして判断しましょう。
当店のサイトの以下のページもよろしければご参考にしてください。
↓ 着物の種類について大まかに解説したページ
着物の種類 基本のお話
↓ スタッフが実際にお客様のご自宅に仕分けをお手伝いに行くメニュー
60分限定 着物仕分けの無料サービス
理由2:「着物を捨てる」ことが辛い。
思い出があったり、袖を全く通してなかったり…着物を捨てることに抵抗のある方はとても多いです。
そんな時は、「片づけ=捨てなければならない」という考えはいったん置いておきましょう!
使っていないものを全て処分することが、着物片付けのゴールではありません。確かに捨てることも選択肢の一つとして考えておかなければなりませんが、着物だって他のモノの片付けと同じ。
実用性のあるものだけ残したい人もいれば、思い出があるから、としまっておく人もいます。
少し「着ない着物の片づけ」に前向きになれたでしょうか?
次に、具体的な片付けの手順について解説いたします。
着物の片付けの手順
片付けの前に
メモのための鉛筆をご用意ください。
たとう紙に何の着物が入っているのかメモしておくためです。(「色無地 緑」「黒留袖(鶴)、帯とセット」「コンサート行けるセット(紫付下+帯)」など)
また、自分の所有するものだけを仕分けしてください。自分以外の方の所有する着物は、そのままに。
1:着物を全部出して並べる
少し大変ですが、全て出して並べましょう。数枚重ねて置いても大丈夫です。
全部出す理由は、大きく2つあります。
- 仕分けのスピードを上げるため
- 現状を把握するため
特に大事なのは「現状の把握」です。
あるお客様のお話です。
たくさん形見の着物を譲られたお客様。タンスに入っているときは、中の着物全てが「形見」と見えてしまい全部捨てられませんでした。
しかし、一枚一枚見ながら「これは母が好きだった色だな」「これを着ていた姿を思い出すな」とお話されるうちに、自分にとって「これが形見だ」と感じられる一枚が決まったとおっしゃいました。
また、片付けながら自然と
- リメイクして形見分けにし、親戚に分けよう
- これは写真に収めて、処分してもいいだろう
という気持ちにもなれたそうです。
このように、現状を把握すると冷静に着物の片付けを進めていきやすいのです。
2:分類する
全部出した着物を一枚一枚確認し、5つのカテゴリーに分類します。当店では「仕分け」と呼んでいる作業です。
カテゴリーの内容は「そのまま保管」「ゆずる」「リメイク・一部保管」「保留」「引退」です。
各カテゴリーの説明をしていきます。
【そのまま保管】
- 自分、家族が着る予定がある
- 着るためのクリーニングやサイズ直しをする金額が、おおよそ予算内
- 思い入れがあり、形を変えることにも抵抗がある
着る機会がありそうな着物たちです。出番まで管理・保管します。
「若い時は着物なんて着ないと思っていたけど、50、60歳になってふとフォーマルな場に着ていく洋服が思いつかなくなったとき、手元に和服があってよかった」
というお話をお聞きしたこともあるので、生地の状態の良いものを残しておくのはおすすめです。
またお客様の中には、「娘がお姫様ごっこやりたい!っていうから、遊び用に派手なのを残しておく」という方もいらっしゃいました。
大事なのは、具体的に「この状況が来たら着用する」という予定が浮かぶかどうかです。
また、一緒に着用できそうな帯と着物がセットで見つかれば一つのたとう紙に入れ、「結婚式セット・訪問着(緑)帯(クリーム系)」のようにメモをしておきましょう。鉛筆で直接たとう紙に書いておくのも分かりやすくていいと思います。
また、着用の予定がないものでも強い思い入れがあれば残しておいても大丈夫。
【ゆずる】
- 家族以外に、着る予定のありそうな人がいる
- 着物が好きな人がいる
- 状態が良い
ゆずるあてのある着物はひとまとめにしておき、見てもらいやすいようにしておきます。
断られたら→「保留」に分類し、「リメイク」か「引退」に振り分けます。
「ハサミを入れられることに抵抗が無いから、リメイク好きな方にゆずった」というお客様もおりました。
【リメイク・一部保管】
- 思い入れがある、または色柄が好きだけど着る予定は無い
- ハサミを入れてもいいと思える着物
シミが多い着物でも、キレイな部分を生かして生まれ変わらせることができるのがリメイクです。バッグであれば、袖一枚から作れることもあります。一枚の着物から複数の小物にリメイクして形見分けにする方もいらっしゃいました。
また、一部分だけを持っていればいいという方は、着物を解いて比較的きれいな部分だけを保管する方もいます。
ご自身でリメイクするのもとても良いと思いますし、依頼してリメイクしてもらう方法もあります。
当店でもリメイクを承っております。
着物リメイクについてのニュースレターを見る→
A4ファイルの入るカバンやクラッチバック、織の透けが美しく映える日傘が人気です。
【保留】
「保管」「ゆずる」「リメイク」「引退」のいずれかに振り分ける前に、確認が必要な着物たちです。
確認内容は「しみ抜きの予算を調べる」「着物のTPOにあうか調べる」「リメイク可能か調べる」など具体的なもの。何を確認すればいいのかメモをして、保留ボックスなどにしまっておきます。2か月以内など、期限を決めて調べましょう。
【引退】
上記のどれにも当てはまらないものは、「引退」です。
処分する、リサイクルショップに持ち込む、などして手放してみましょう。 手放す方法について詳しくはこちらでも説明しています。
どうしても「傷みの無いものは捨てられない」などの理由で手放せない場合は「使用頻度ゼロ」用の箱に入れて、普段開けないところに置いても良いかもしれません。(ただし、カビ、シミ、虫食いなどが発生する可能性があります。)
きもの辻では、クリーニングをご注文のお客様に限り着物の引き取りのご依頼もお受けしております。
3:タンス、衣装ケースに戻す
仕分けが完了したら、保存する着物がある場合はタンスや衣装ケースに収納していきます。
きもの辻HPには、「着物を長持ちさせるための収納方法」についての記事など、保管に関する情報を多く掲載しておりますので、ご参考になさってください。
以上で片づけの手順は終了です。
「引退」の着物…どんな方法で手放すか確認してみる
「なんでもかんでも無理に手放す必要はない」といっても、着物を置いておけるスペースには限界があります。
「手放す」にはどんな選択肢があるのでしょうか。
ほしい人にゆずる
せっかくだから家で眠らせておくより着たい人にどんどん着てほしい、とおっしゃるお客様はとても多いです。何世代も着続けられる、色柄の廃れない着物にはぴったりの手放し方だと言えるでしょう。
ただ、「自分の周りに貰い手が見つからないと手放せない」という難点もあります。
当店では「着物を譲りたい人」と「着物を探している人」の間をつなぐ取り組みを行っております。誰かに譲りたいけど貰い手が近くにいない、という方はよろしければご一読ください。
リメイクする
思い入れがある、または色や柄が好きなので持っていたいけど、着ないし収納に困っている。そんな場合にリメイクは最適です。洋服にも合うバッグにして普段から使うのも良いし、保管用に小さなものにリメイクしてとっておく、という方法もあります。パッチワークにして、額に入れて飾る方もいらっしゃいました。
着物にシミなどがあっても、きれいな部分だけ使用できるのもリメイクの利点です。
リメイクは当店でもお受けしております。バッグが一番人気ですが、「光の透け」がとても美しいと日傘へのリメイクもお喜びの声をいただいています。
リサイクルショップ・買取業者に売る
着物の専門的な知識を持つスタッフがいるお店と、そうでないお店があり、見極めが難しいところです。「買取額として、とても安い金額を提示された」というお話も聞きます。お店のホームページのみではなく口コミなどを確認して、売却先をしっかりと選ぶことが大事です。
もしくは「捨てるくらいなら誰かが何かに使ってくれる方がいいかな」と思ってリサイクルショップに持って行った、という方もいます。
個人で売る(ネットオークションなど)
「自分で納得のいく価格を付けられる」「着物が必要な誰かに譲って、自分は手放せる」を兼ね備えた手段です。
買い手との直接のやり取り、販売のための準備などの手間をかけられそうであれば試してみるのもよさそうです。
捨てる
引退してもらう着物を手放す方法はたくさんありますが、そのどれにも当てはまらない場合には「捨てる」ことも選択肢の一つとして考えておきましょう。
捨てる時、「ありがとう、お疲れ様」と手放せるように『仕分け』があるのです。
また当店では、着物メンテナンスをご利用のお客様からご依頼があれば「着ない着物のお引き取り」もお受けしております。(※当店をご利用の方限定のサービスです。)
まとめ
「着ない着物」問題、ハードルを低めに考えてみてください。
具体的な片付けの方法を書いてみましたが、「着ない着物が眠るタンスを開けてもいいかな」という気持ちになっていただけたでしょうか?まずはタンスの引き出し一つから、など小さな場所から初めてみるのも良いと思います。
実は、仕分けには「本当に残しておきたい着物はどれなのか」という自分の気持ちを冷静に確認できる効果があります。第三者にいてもらい、自分の気持ちをアウトプットしながら進めていくともっと効果的です。
実際に当店スタッフは仕分けサービスの際、
- 今後着る予定はありそうか?(冠婚葬祭、お出かけなど)
- クリーニングやしみ抜きなどが必要な着物の場合、必要な予算をかけてまで着たいと思えるかどうか?
- 誰かに譲るあてはあるか?(お子様、お知り合いなど)
- リメイクして持っておく、という選択肢はありか?
といったことをお聞きしながら、「着ない着物どうする問題」の解決法をお客様と一緒に探っていきます。
最初に「基本的に、着物の片付けは他のモノの片付けと同じ」とお伝えしました。使わないものは全て処分したい人もいるし、とっておきたい人もいる。着ない着物に悩む方の数だけ、ゴールや正解があります。
ハードルを少し下げて、自分の心もスペースもスッキリする方法を探して見てください。応援しています!
着物のことなら何でも、まずはお気軽に
お問い合わせ、ご相談ください。